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有給休暇の消化を企業に義務付けか!? 中小企業の有給との向き合い方

厚生労働省が、全国の全ての企業に対して社員の年次有給休暇の消化を義務付ける検討に入りました。

中小企業も含む全企業を義務化の対象とし、愛知・名古屋の中小企業も全て対象としております。有給休暇の20日分の一部分に対して義務化を課します。

年休未消化の社員が多い会社には、罰則を課すことも規定します。

皆様こんにちは!助成金特化型の名古屋熱田社会保険労務士事務所です。助成金を貰うためにも愛知・名古屋の中小企業の労務管理は大変重要となります。弊事務所の無料メルマガ等で最新情報を学んでおきましょう!

愛知・名古屋の中小企業で、「有給休暇をしっかり与えている!」というところは少ないのではないでしょうか?それどころか、「うちはそんなものはないからね」という中小企業も多くあります。

有給休暇を従業員の自由に取得させるという事は、人件費が多くかかることになってしまいます。取得者が出勤しない分の人手が足りなくなり、その人手不足を解消するために従業員を多く雇っておく必要があるからです。

これはギリギリの人件費でやりくりしている愛知・名古屋の経営者様にとっては大変辛いことです。

今回は、中小企業が有給と如何にして向き合っていくかについてお話ししますが、その前に、まず基礎として次の六点をご説明致します。

①有給は大企業・中小企業・法人・個人事業を問わず、入社6ヶ月以上の全ての従業員に与えなくてはならない。全ての従業員とは、パート・アルバイト等も含んだ者となる。

②与える日数は、週所定労働時間30時間以上の者の場合には、入社6ヶ月で10日、1年6か月で11日、2年6か月で12日・・・と増えていき、入社6年6か月以降の場合に最大となり20日となる。その後は毎年20日ずつ与えられる。

③上記の日数は、週所定労働時間30時間以上の者の場合であり、それ以下の労働時間の者の場合(パート・アルバイト等)はその労働時間に合わせた有給日数が与えられる。例えば、週4日勤務の者で入社6ヶ月の場合は7日というようにである。

④有給には時効があり、その期間は2年間となる。例えば、入社6年6ヶ月で20日の有給を与えられた者で、その者が一日も有給を消化しなかった場合には、次の年の入社7年6か月でまた20日与えられる。その結果、合わせて40日を最大保持し続ける。

⑤有給は従業員からの申し出によって消化される。特別な理由がない場合には、会社はその申し出を断る事が出来ない。特別な理由とは、その者にその日に取得させる事によって、会社の運営に支障が出るような場合である。

⑥上記のように、従業員からの申し出によって取得させるため、「明日暇だからあなたは有給で休んでね」といった具合に、会社が従業員に無理やり消化させる事は出来ない。

以上の通りです。

今までも、愛知・名古屋の中小企業が、従業員に有給を与える義務はありました。しかしながら、消化させる義務まではありませんでした。

しかしながら今後は、与えられた日数の一部については、消化させる義務まで課すようになりそうです。ギリギリの人件費でやりくりしている経営者様にとっては苦しい法改正となりそうです。

そこで、労務管理の専門家であり助成金特化型である社会保険労務士からの助言としては、「年次有給休暇の計画的付与制度」を導入する事をオススメします。

この制度を導入すると、有給休暇のうち5日を超える分の取得日を、会社が指定する事が出来ます。例えば、10日の有給がある従業員であれば、5日分を会社が指定した日に取らせる事が出来ます。

そして、この会社が指定する5日間を、お盆休みや正月休みの日に指定するのです。元々休みであった日に有給を消化させる事によって、会社が損をせずに従業員に有給を取得させる事が出来るのです。

この「年次有給休暇の計画的付与制度」を愛知・名古屋の中小企業が取り入れる場合には、労使協定というものを整える事が必須となります。その他にも、就業規則にも明記しておくのが従業員に納得させるためにも大事であり、労働問題予防の面からもオススメです。

愛知・名古屋の経営者様が助成金を貰う上でも、会社都合による退職者・解雇を出さない事が大事になります。そのためにも日ごろから労働問題予防に努めておきましょう。

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